山手線

山手線(やまのてせん)は、東日本旅客鉄道(JR東日本)が運営する鉄道路線である。
「山手線」には、次の4つの意味合いがある。旅客案内および運行管理上は2.が多用される。
路線名称としての「山手線」:東京都港区品川駅を起点に、渋谷駅新宿駅池袋駅を経由して北区田端駅を結ぶ全長20.6kmの鉄道路線(幹線)の名称[1]東海道本線の支線。鉄道要覧に記載された山手線の区間でもある。 全線複々線であるが、このうちの埼京線電車、湘南新宿ラインの列車や特急列車貨物列車の走る路線を通称「山手貨物線」と呼ぶ。 運転系統としての「山手線」:上記 1. に東海道本線の一部および東北本線の一部区間を合わせて東京都区内で環状運転を行う近距離電車の運転系統。実際には同運転系統のみが使用する専用の線路があり、それを「山手線」と呼ぶ。 マルスのシステム上の経路表示における「山手線」:上記1.から、代々木駅 - 新宿駅間を除外し、田端駅 - 日暮里駅間を含む(代々木駅 - 新宿駅間は「中央東線」と表示される)。 運賃計算上の「東京山手線内」:東京駅からの営業キロ程が100km超200km以内の範囲に所在する駅に発着する乗車券(または1km超200km以内の範囲に所在する駅に発着する一部の特別企画乗車券)に表示されることがある運賃計算上の名称。上記2.の区間に加え、環状線内側にある中央本線神田駅 - 代々木駅間および総武本線秋葉原駅 - 御茶ノ水駅間を含む。また、この区間内相互の近距離運賃は区間外よりも低額に設定されている。 山手線は、日本の首都である東京の都心部で環状運転を行い、多くの駅において、都心から各方面へと伸びるJR(在来線新幹線)や私鉄各社の放射路線、および都心部を走る地下鉄各線に接続している。1周の長さは34.5km、1周の所要時間は最速59分、平均64分である。ラインカラー1963年登場の103系電車の車体の色に使用されたウグイス色、国鉄黄緑6号)であり、以降登場したステンレス車両の帯の色や旅客案内(路線図・サインシステムなど)にも使用されている。
山手線は、日本の文明開化期に日本鉄道私鉄)が当時国内有数の貿易港であった横浜港関東地方内陸部の各地(埼玉県群馬県栃木県)さらに東北地方および北陸地方方面を結ぶ貨物線として建設した、赤羽駅 - 品川駅(および大井町駅)間を結ぶ鉄道路線(当初は品川線と呼称)である。当時の東京の人口密集地域であった下町を避け閑地であった山手に建設された。その後、同じく日本鉄道が現在の常磐線方面と横浜港方面間の接続を目的として建設した池袋駅 - 田端駅間(当初は豊島線と呼称)を加え現在の山手線の線路の原型が完成、国有化の後、戦後の高度成長期に池袋駅 - 赤羽駅間を現行の赤羽線として分離した。開業以来、武蔵野線が開通するまでは、関東北部および東北方面から横浜港方面に向けての輸出品輸送、また逆方向の輸入品輸送の大動脈であった。現在も少数であるが東北本線方面と東海道本線方面を結ぶ貨物列車が毎日運行されている。
旅客輸送については、開業当初は新橋 - 品川 - 新宿 - 赤羽間を往復する列車が1日数往復のみ運行され、その後東京山手の人口増に伴い上野駅を起点として池袋駅、新宿駅渋谷駅、品川駅、新橋駅を経て東京駅方面に至る環状運転が開始され、その後、上野駅 - 東京駅間の開通により京浜線と東北本線の相互直通運転が開始された時期と同じくして、現在の運行形態へと移行、定着した。
明治後期から昭和期にかけての私鉄各社は、地下鉄道であれば東京地下鉄道東京高速鉄道のように東京15区内に路線を敷設することができたが、地上線となると東京15区内が東京市電の路線網内だったこともあり敷設が難しく、山手線の各駅に隣接して都心側のターミナル駅を設置することとなった。戦後も引き続き山手線内に新設する路線はすべて地下鉄道であることが条件となったため、私鉄の資本力では山手線内に直通することは実現不可能となった。山手線の各駅は都内交通への乗り継ぎ・中継地となり、やがて各私鉄が自力で都心延伸するよりもターミナルに自社の商業施設を集中した方が利益になると判断し始め、大手私鉄のターミナル駅となっていた渋谷新宿池袋は3大副都心として発展を遂げていく。
こうした新都心を相互に連結する山手線は、東京の交通網の基本路線として機能しており、戦後、私鉄が営団地下鉄(現在の東京地下鉄〈東京メトロ〉)や都営地下鉄相互直通運転を開始し、郊外から電車が直接都心に乗り入れるようになっても、依然東京山手の副都心間を結ぶ路線等として機能している。一方で、地下鉄網の発達や並行する山手貨物線の旅客化、山手線自身の6ドア車導入による11両化により、以前よりも混雑が緩和されている(田端 - 品川間で併走する京浜東北線も近年混雑が緩和されている)。現在の朝ラッシュ時最混雑区間は外回りの上野駅御徒町駅間で、これも東北縦貫線(東北本線の上野駅 - 東京駅間列車線延伸)の開業で緩和される見通しである。
平均駅間距離はJR東日本管内の路線では最も短く、JRグループ全体でも大阪環状線に次いで2番目に短い。

山手線の読み方は「やまのてせん」であり、太平洋戦争前も「やまのてせん」と読んでいたが、終戦直後は「やまてせん」と呼ばれていた時期があった。
これは、終戦直後連合国軍最高司令官総司令部 (SCAP) の指示により、鉄道施設や道路標識などにローマ字併記が進められた際、山手線には国鉄部内での通称だった「ヤマテ」につられて「YAMATE」とローマ字を振ったことがきっかけとなり、その後「やまてせん」という読み方が一般に定着したことによる。
やまのてせん」という読み方を復活させたのは、群馬県内の吾妻線(あがつません)開通に起因する。吾妻線が「あづません」と読まれないようにするため、国鉄では全路線の線路名称にふりがなを付することを決定。山手線には「やまてせん」ではなく「やまのてせん」というふりがなを振り、吾妻線開通の1971年3月7日から実施した。
国鉄当局が「やまてせん」ではなく「やまのてせん」を選択し復活させた理由は、線名の由来・発祥からして、「やまのてせん」の方が伝統的に正しいことと、根岸線山手駅(やまてえき 1964年5月開業)が存在していたことによる混同を避けるためである。
これに伴い、その趣旨を徹底させるため、電車に掲出される方向幕の行先表示は、漢字表記は「山手」を「山手線」に、ローマ字表記は「YAMATE」を「YAMANOTE LINE」に改めることとなった。
これに関連したこととして、ヨドバシカメラCM曲1990年代初めまで「やまてせん」の歌詞だったが、客から「やまのてせんでないのは何故か?」と指摘があり、その部分を差し替えた。現在テレビCMや店内放送で流れているのは「やまのてせん」バージョンである。

品川駅 - 新宿駅間 東海道新幹線京急本線が接続する品川駅を出ると、京急本線と国道15号(第一京浜)をくぐり、500mほど京浜東北線東海道線横須賀線・東海道新幹線と並行して掘割を南方向へ進む。やがて大きく右へカーブして東海道線・京浜東北線と分かれて横須賀線・東海道新幹線とともに目黒川を渡る。その先、横須賀線上にある旧目黒川信号場で、新宿・池袋方面発着の特急「成田エクスプレス」が走行する山手貨物線が横須賀線から分岐。横須賀線(品鶴線)・東海道新幹線が左方向へ離れていき、山手貨物線は以降、田端駅手前まで電車線に並行する。車両基地である東京総合車両センターからの引込線が左手から合流すると大崎駅。山手貨物線を挟んで西側には品鶴線に繋がっている大崎支線があり、その線路上に湘南新宿ライン埼京線東京臨海高速鉄道りんかい線のホームが設けられている。
大崎駅を出ると大崎支線が山手貨物線に合流し、湘南新宿ラインや埼京線電車などは同貨物線を走行する。北西方向へ進み、目黒川を再度渡ると、西側から伸びてくる東急池上線のホームをくぐり、五反田駅へ。同駅は国道1号桜田通り)を跨ぐ形で設けられている。首都高速2号目黒線をくぐり北方向に進路を変えると、駅ビルの直下に設けられた目黒駅。地下ホームに発着する東急目黒線との接続駅である。都道312号(目黒通り)をくぐって北進すると山手貨物線が電車線の下をくぐって左側から右側へ移る。恵比寿ガーデンプレイスの西側を抜けると恵比寿駅。同駅は1996年平成8年)に山手貨物線ホームが設けられ、2002年(平成14年)のりんかい線開業まで埼京線の起点駅となっていた。都道416号(駒沢通り)を跨ぎ、北北西に進むと東急東横線をくぐり、都心西側のターミナルのひとつ、渋谷駅に至る。JRの駅は山手貨物線ホームと電車線ホームが大きくずれた場所にあり、また電車線ホームの直上に首都高速3号渋谷線東京メトロ銀座線ホーム、直下に国道246号が交差しており、電車線ホームの西側に東急東横線の駅、東側に京王井の頭線の駅がある。このほか地下には東急田園都市線なども乗り入れている。駅周辺は渋谷繁華街である。
渋谷駅を出ると都道306号明治通り)や東京メトロ副都心線(地下)に沿ってに北上し、明治神宮の西側に差し掛かると原宿駅に至る。明治神宮の最寄り駅であり臨時ホームが設けられているほか、北側の山手貨物線上には皇室専用ホーム(原宿駅側部乗降場)がある。また駅西側の表参道は商店街となっている。明治神宮沿いを北上し、首都高速4号新宿線をくぐると山手線内側(右側)から複々線中央本線中央快速線中央・総武緩行線)が現れて電車線と山手貨物線の間に入り、山手線電車と中央・総武線各駅停車が停車する代々木駅へ。同駅を出るとすぐに新宿駅構内の南端に差し掛かり、左側から小田急小田原線が近づく。そしてタカシマヤタイムズスクエアの脇を抜けて中央・総武緩行線の西行線が山手電車線を跨ぐと、都心西側のターミナルの一つである新宿駅に至る。駅構内の中ほどで東西方向に伸びる国道20号甲州街道)が跨いでいる。駅西側には小田急電鉄京王電鉄の駅があり、それぞれ小田急百貨店京王百貨店を併設。またJRの駅舎もデパートのルミネルミネエストを併設している。駅西側は高層ビルが立ち並ぶ西新宿のビジネス街、東側は新宿三丁目歌舞伎町の繁華街が広がっている。
新宿駅 - 田端駅間 新宿駅を出ると「新宿大ガード」で都道4号靖国通り)を跨ぐ。西武新宿駅の西側で中央本線が北西方向へ分かれていき、ここから高田馬場駅まで西武新宿線と並行する。都道433号(大久保通り)を跨ぐ手前に新大久保駅がある。周辺にはコリア・タウンが広がり、中央・総武緩行線の大久保駅とは300mほどの距離である。病院や学校が立ち並ぶ中を北上すると学生の街・高田馬場にある高田馬場駅。山手貨物線にはホームが無いが、西武新宿線との接続駅となっている。都道25号早稲田通り)と、西へ向かう西武新宿線を跨ぐと北北東に進み、学習院大学の西側に位置する目白駅。駅のすぐ北で都道8号(目白通り)をくぐる。西側から現れた西武池袋線をくぐり、同線と並行すると都心北西部のターミナルで渋谷・新宿と並ぶ池袋の繁華街に囲まれた池袋駅に至る。JRの駅の西側に東武東上線、東側に西武池袋線の駅があり、東武百貨店西武百貨店をそれぞれ併設。また山手線の運行上の拠点の一つであり、車両基地(池袋運転区)への引込線が分岐している。
池袋駅を出ると、山手貨物線から埼京線(赤羽線)が分岐し、山手線(電車線と山手貨物線)は東へと方向を変える。首都高速5号池袋線をくぐり、住宅街の中を東南東へ進むとまず大塚駅がある。同駅では東京都心で唯一となった路面電車都電荒川線と接続する。続いて掘割を東北東へ進み、国道17号白山通り)をくぐると巣鴨駅。「とげぬき地蔵」こと高岩寺の最寄駅で、周辺には高齢者でにぎわう地蔵通り商店街がある。さらに掘割を進むと都道455号本郷通り)をくぐり駒込駅。こちらは都立六義園の最寄り駅となっている。山手線電車線で唯一の踏切を通過すると、湘南新宿ラインが走行する山手貨物線が電車線の下に潜り左側にカーブして離れていき、電車線は反対に右側にカーブし上野方面を目指す。左側から現れた高架の東北上越長野新幹線(以降まとめて「東北新幹線」)と並行し、京浜東北線の北行・南行線路の間に挟まれる形で勾配を下ると田端駅。周辺には新幹線の車両基地や、貨物列車用の田端信号場駅が広がっている。
田端駅 - 東京駅間 田端駅から東京駅までは、正式には東北本線の電車線を走行する区間となり、山手線電車は京浜東北線の北行・南行線路に挟まれて南へ進む。田端駅を出ると800mほどで東京地下鉄千代田線と接続する西日暮里駅。同駅手前から左側の東北新幹線の向こう側に複々線の東北列車線(宇都宮線高崎線)の線路が現れて並行し、西日暮里駅を出てさらに進むと京成本線常磐線が東側から現れて日暮里駅に至る。同駅ではほかに日暮里・舎人ライナーも接続するが、宇都宮線・高崎線に駅は無い。また東北新幹線は同駅付近から地下に潜っていく。日暮里駅から上野駅までは山手線、京浜東北線、宇都宮線・高崎線、常磐線を合わせて10本5複線の線路が並行。まずはこれらの線路を京成本線が跨いでいく。都道319号言問通り)をくぐると東側にある上野恩賜公園の脇に差し掛かり、山手・京浜東北線の鶯谷駅へ。続いて公園沿いに右へカーブし、宇都宮・高崎、常磐の各線の線路が高架線と地上線に分かれると、東北・信越各方面へのターミナル駅である上野駅に至る。宇都宮線・高崎線と常磐線は現在、同駅を運行上の起点としているが、2014年度(平成26年度)にはこれらの線路がこの先の東京駅まで繋がることになっている(東北縦貫線)。また地下には東北新幹線のホームもあり、かつては新幹線も上野駅を始発駅としていた。駅西側の上野恩寵公園内には上野動物園があり、京成本線は同公園の地下を通ってJR上野駅南西にある京成上野駅に発着している。
上野駅を出ると山手線は京浜東北線・東北新幹線と並行して高架上を南下し、東京駅を目指す。左側には宇都宮・高崎・常磐線の車両を停泊させる留置線への回送線が続くが、現在は前述の東北縦貫線の工事中である。また100mほど東側に首都高速1号上野線が並行している。右側のアメ横通りに沿い、都道453号春日通り)を跨ぐと御徒町駅。そのまま市街地の中を南下すると、総武緩行線との交差地点にある秋葉原駅へ。駅周辺の秋葉原電気街となっているほか、サブカルチャー関連の店も並んでいる。また常磐新線として建設されたつくばエクスプレスが同駅の地下に発着している。秋葉原駅からは東北新幹線が地下から地上に現れ、駅を出るとすぐに神田川を渡る。都道302号(靖国通り)を跨ぐと山手線内側から中央線が近づき、国道17号(中央通り)を跨いで神田駅。東北縦貫線は同駅付近では新幹線のさらに上の高架を通ることになっている。東北縦貫線が山手線と同じ高さまで下りると、首都高速都心環状線をくぐり、今度は右側の中央線が高々架に上がる。また北東側からは地下を走る総武快速線が近づく。そして国道1号永代通り)を跨ぐと東京駅に至る。同駅は東北新幹線・東海道新幹線と東海道線・中央線、地下ホームに発着する京葉線の始発駅となっているターミナル駅で、さらに正式な路線名としては東北本線・総武本線の起点でもある。皇居側(丸の内口)には赤レンガ駅舎を備え、反対側の八重洲口では高層ツインタワーのグラントウキョウが建設されるなどのリニューアルが進められている。
東京駅 - 品川駅間 東京駅から品川駅までは正式には東海道本線の区間となり、引き続き京浜東北線に挟まれて高層ビルが林立する中を南南西方向へ進み、左側には東海道線(列車線)と東海道新幹線が並行、また地下には総武快速線と直通運転を行う横須賀線の線路が通っている。東京国際フォーラムの東を通り過ぎると有楽町駅。駅の東側には銀座の繁華街が広がっている。有楽町センタービル(マリオン)の横を過ぎると、新幹線のさらに左側に東京高速道路(KK線)が並行し、同道路が左にカーブして離れると新橋駅に至る。同駅の南東はかつての初代新橋駅、後の汐留貨物駅の跡地であり、現在は汐留シオサイトとして再開発が行われている。新交通ゆりかもめの起点駅もその中に位置している。また新橋駅は東京駅 - 品川駅間の中間駅で唯一東海道線・横須賀線にホームがある。
新橋駅を出ると国道15号(第一京浜)を跨ぎ、高架から地平へと降りる。左側にゆりかもめが並行し、それがお台場方面へ離れていくと、空港連絡鉄道である東京モノレール羽田空港線との接続駅である浜松町駅。駅のすぐ東には旧芝離宮恩賜庭園、1kmほど西側には東京タワーが位置する。また500mほど東側は海(東京港)であり、山手線でもっとも海に近い駅である。浜松町駅を出るとすぐに東京モノレールが右側から左側に移り、首都高速都心環状線をくぐる。モノレールは次の田町駅手前まで並行し、またモノレールの下には休止路線となっている東海道貨物線の用地が続く。緩やかにカーブして南西方向を向くと、モノレールが別れていき田町駅に至る。田町駅を出て再びカーブして南へ向くと東海道線の上下線の間が離れ、間に同線の車両基地・田町車両センターが広がる。また同センターの横で京浜東北線北行線路が山手線の外側へ移り、方向別複々線から線路別複々線に変わる。山手線内側にはビル群を挟んで国道15号が並行。右側で都営地下鉄浅草線に直通する京急本線が地下から高架に、また左側で横須賀線線路が地上に上がると、東海道線の上下線が近づいて品川駅に至る。

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